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中国「経済崩壊の危機に直面していない」と強弁。

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中国外交部の毛寧報道官が「中国経済は崩壊していません。中国経済崩壊論の方が崩壊してきた」と述べて注目されています。

これは毎度おなじみの定例記者ブリーフィングでのQ&Aで登場した言葉ですが、ご注目いただきたいのは、質問者が『環球時報』の記者であることです。

中国共産党政府は、言いたいことがあるときには中国メディアの記者・記事を使い、対外的に主張します。中国メディアは全て中国共産党の「指導」を受けていますので、自由な報道などありません。

今回の、毛寧報道官の発言も、世界中のメディアが「中国経済はいよいよヤバイ」と言っているので、これについて頭にきた中国共産党の反論と見るべきです。

『環球時報』記者:
最近、多くの西側諸国が中国経済を酷評している。

ジョー・バイデン アメリカ合衆国大統領は、中国は経済的困難に直面しており、それは世界経済の成長鈍化による影響と、中国の経済政策に関連していると述べた。

オーストラリアの財務長官は、中国の経済成長は著しく減速しており、オーストラリアに影響を及ぼしていると述べた。

合衆国のアデエモ財務副長官は、中国の経済減速は主にアジアの近隣諸国に影響を及ぼすだろうと述べた。これに対する中国の反応は?

毛寧:
時折、さまざまな「中国崩壊論」が出てくるようだ。 事実、中国経済は崩壊しておらず、逆に「中国崩壊論」は崩壊を繰り返している。

今年に入ってから、世界経済の回復は弱く、外部環境は厳しく複雑である。

しかし、中国経済は回復を続けており、全体的には良好に回復している。今年上半期、中国のGDPは前年同期比5.5%増となり、昨年の3%増を大幅に上回った。

国際通貨基金(IMF)は、中国経済は今年5.2%成長し、世界の経済成長の3分の1に寄与すると予測しており、中国経済は依然として世界経済成長の主な原動力である。

私は、中国経済が弾力性に富み、潜在力と活力に満ちており、長期的なプラス傾向のファンダメンタルズは変わっておらず、持続的で健全な経済発展を推進する自信と能力があることを強調したい。

中国は高いレベルでの対外開放を堅持し、世界との互恵協力を強化し、発展の配当を分かち合い、中国の発展はアジアの近隣諸国と世界に多くのチャンスをもたらすだろう。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2023年9月12日外交部发言人毛宁主持例行记者会」

「中国経済は崩壊などしていない」と強弁していますが、とてもそうは思えないのが現状で、たからこそ世界中のメディアが「いよいよアカン」と言っているのです。

また、GDP成長率について言及していますが、これこそ中国の出す統計の最も信じられない数字です。先にご紹介したとおり、2007年時点で李克強さんが自分で「中国の公表するGDP成長率の数字は作為的なもの」と述べています。

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『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)などの国際機関も、一応中国共産党政府の公表する数字を参照(というか尊重)していますが、経済学者や識者は常に懐疑的な目で見ているというのが本当です。

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毛寧報道官のせっかくのご指摘ですが「2023年上半期:+5.5%」という数字も信が置けません。中国の不動産セクターが崩壊の危機に瀕し、また輸出も弱っており、国内が不景気で消費が低迷しているのは明らかです。

つまり、中国経済を支えてきた3つの首の全部が低迷しているわけで、これで「潜在力と活力に満ちており」と言われても到底信用できません。

毛寧報道官は「中国の発展はアジアの近隣諸国と世界に多くのチャンスをもたらす」と述べてもいますが、これまた「中国への投資を募る」ためのプロパガンダです。

Money1でもご紹介してきましたが、商務部、外交部は必死になって中国への投資を呼びかけています。それだけ困っているのです。いわば「金借りてやるぞ」であって、「いい気なものだ」としか言えません。

(吉田ハンチング@dcp)

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