「李克強指数」とは? 中国の発表するGDPは盛られている

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李克強指数」とは、

電力消費量
鉄道貨物輸送量
銀行融資額

の3つを指し、粉飾して公開される中国の統計データの中でまだしも信頼のおける数字とされています。中国の経済的状況を判断するにはこの3つを参照した方がいいというわけです。

2007年のダボス会議における、当時中国遼寧省のトップ(遼寧省人民代表大会常務委員会主任)だった李克強さん(2021年05月現在中華人民共和国国務院総理/首相)の発言にちなんでこう呼ばれるようになりました。

その背景は以下のようなものです。

李克強さん自ら「GDPは作為的」と指摘!

2007年まで話はさかのぼります。

李克強さんは、01月に開催されたダボス会議(世界経済フォーラム)に出席し、次のような発言をしたとされているのです。

GDPは「作為的」であるので信頼性は低い。

遼寧省の経済を評価するときは3つの数字に焦点を合わせる。

1)電力消費
2)鉄道貨物の量
3)実行された融資の金額

これら3つの数字を見れば、経済成長の速度を比較的正確に測定できる。

他のすべての数字、特にGDP統計は、「参照用」である(と笑った)

オフレコの場での発言だったのですが、駐中国クラーク・ラント(Clark T. Randt Jr.)アメリカ合衆国大使が同席しており、これを国務省に報告。

この報告が2010年、ウィキリークスによって暴露され、世界的に知られるようになったという次第です。

以下が、ウィキリークスによって暴露された「ラント大使の報告(とされるもの)」の原文です(一部を抜粋/Original Classificationは機密)。

4. (C) GDP figures are “man-made” and therefore unreliable,
Li said. When evaluating Liaoning’s economy, he focuses on
three figures: 1) electricity consumption, which was up 10
percent in Liaoning last year; 2) volume of rail cargo, which
is fairly accurate because fees are charged for each unit of
weight; and 3) amount of loans disbursed, which also tends to
be accurate given the interest fees charged. By looking at
these three figures, Li said he can measure with relative
accuracy the speed of economic growth. All other figures,
especially GDP statistics, are “for reference only,” he said
smiling.

参照・引用元:『wikileaks.org』「FIFTH GENERATION STAR LI KEQIANG DISCUSSES DOMESTIC CHALLENGES, TRADE RELATIONS WITH AMBASSADOR」

特に注目いただきたいのは、GDPについて「man-made」と表現している点です。「人の手によって操作されている」、つまり「盛られている」というわけです。

もちろんこの発言は遼寧省についてのものですが、遼寧省だけ盛られているわけがありませんので、各地方政府のデータを積算した中国全体のGDPなど信頼できません。

というわけで、現在では「中国の統計データは疑ってかかる」のはもはや常識となっています。しかし、中国も2010年にこの件が暴露されて以来、「李克強指数」とされる3つにも気を配っているはずです。

中国の公表する統計データに信頼できるものなどあるのか、という話なのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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