韓国では、「大手免税店の運営企業」の業績が傾いています。
先記事でもご紹介しましたが『ロッテ免税店』の業績は、2024年第1四半期「営業利益:-280億ウォン」。
2023年第3四半期から3期連続の営業赤字で、累計の赤字額は「537億ウォン」となっています。
コロナ禍が本格的に明けて、訪韓観光客が増加しています。2024第1四半期は「340.3万人」が韓国を訪問しました。2019年の第1四半期と比較して88.6%まで回復しています。
※訪韓外国人の数は『韓国 文化体育部』の公表による/以下同
――なのに、免税店は赤字(あるいは業績が悪い)なのです。
なぜこんなことになるかというと……免税店の売上が大幅に減少しているからです。
訪韓外国人はほぼ回復したのに売上は半減した!
2024年03月に訪韓した外国人は「約150万人」。対2019年03月比で「97.1%」ですから、ほぼコロナ前まで回復しました。
ところが、免税店の売上を見ると以下のように全然回復していません。
免税店の売上比較
2019年03月:1兆8,330億ウォン
2024年03月: 9,326億ウォン
「1兆8,330億ウォン ⇒ 9,326億ウォン」ですから、コロナ前の「約50.9%」です。
つまり、免税店の売上はコロナ前から半減したのです。
韓国メディア『朝鮮日報』は、かつては儲かっていた免税店の低迷について、「かつては免税事業の特許権を獲得するために財閥企業が総出動するほど『金の卵を産むガチョウ』と呼ばれた免税店が『醜いアヒルの子』になったという分析も出ている」と書いています。
こういうのを分析と呼ぶかは分かりませんが、「なぜ訪韓外国人は免税店で買い物をしなくなったのか?」は調査しがいのある問いでしょう。
・中国からの団体客が減少した
・韓国文化を楽しみたい外国人の観光トレンドに対応できていない
・高物価の影響
などの意見が出ています。単純に「韓国で買いたいモノなど特にない」という回答はいかがでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)