韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領自身が公表して、「本当に出るんスか?」と注目を浴びた日本海の「原油・天然ガス」掘削問題(2024年06月03日に公表)。
↑韓国では試掘エリアに海洋生物の名称を付けており、「大王クジラ」という名前になっています。
2024年06月10日、韓国の産業通商資源部は「140億バレルの原油・天然ガス資源」を目指して、2024年中に試掘調査を行うことを表明しました。
↑06月10日に開催されたブリーフィングで力説する産業通商資源部のチェ・ナムホ第2次官
これを受けて韓国メディアも「年内に試掘!」と報じたのですが、実は……2024年07月16日には、その産業通商資源部自身が「東海(日本海です:引用者注)深海ガス田の最初の掘削は決定されていません」という説明資料を出しているのです(以下)。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「【報道説明資料】東海深海ガス田の最初の掘削は決定されていません」
掘るのか掘らないのかどっちなんだ――という話ですが、要は「掘りたいのだけれどもお金がない」のだと思われます。
試掘坑1本につき「1,000億ウォン」掛かると試算されており、5本掘るつもりですので計「5,000億ウォン」掛かります。
ところが先にご紹介したとおり、産業通商資源部と『韓国石油公社』が用意できているのは「120億ウォン」の着手金のみです。
(西原理恵子先生の名言)「お金がないのは首もないのと同じ」で、先立つ物がないと試掘もできません。
韓国政府の依賴を受けて、依然の調査データを再検討した『ACT-GEO』社顧問のVitor Abreu(ビクター・アブル)さんは「確率は20%」としたことについて「5つの有望エリアのうち1つでは石油が見つかる可能性が高いということだ」と述べた(2024年06月07日に行われた説明会に於いて)のですが、本当にそうなのかは分かりません。
しかし、『石油公社』は実際の試掘に向けて動いており、試掘・物理検層※に向けての契約を締結した模様です。
※物理検層とは、ボーリングを行って探査する地層に達するまで孔を通し、その孔に測定器(検層器)を下ろして地質情報を得ることです。
外国企業と契約を締結したが情報公開できない
韓国メディア『NEWSIS』の記事から一部を以下に引用します。
業界などによると、『韓国石油公社』は先月、東海8・6-1鉱区北部地域の大王クジラ-1探査試掘のための物理検層業務契約を締結した。
物理検層は、本格的な探査試掘の前に石油が埋蔵されているかどうかや資源量を確認するために行われる作業だ。
具体的には、さまざまな測定機器を使用して、試掘地域の岩石の性質や石油含有量などを調査する。
政府は競争入札を通じて外国企業と物理検層契約を結んだとのこと。
『石油公社』の関係者は、「最近、物理検層のための業務契約を締結したことは事実だが、契約相手や契約金については明らかにするのが難しい状況だ」と述べました。
産業通商資源部によると、今回の大王クジラプロジェクトの探査資源量は35億~140億バレルだ。
探査資源量とは、探査試掘前に集積構造から潜在的に回収可能と期待される石油の量で、最小・最適・最大の探査資源量に分類される。
今回の大王クジラプロジェクトの最小探査資源量は35億バレルで、実際に回収されると期待される量が35億バレル以上である確率が90%以上という意味だ。
実際に回収されると期待される量が最大探査資源量である140億バレル以上となる確率は10%以上だ。
(後略)
――というような書きようをもって、この記事のタイトルは「35億ドル以上回収される確率は90%以上」となっています。
そんなことを言っても大丈夫なのか?――です。
実際に油が出たとしても、採算に乗る有望な油井になるかどうかは分かりません。現在でも「山師」という言葉が生き続けているとおり、鉱山開発というのは非常な困難が伴います。技術もお金もべらぼうにかかるのが本当のところです。
10年、20年かけて鉱山を育てることが必要で、韓国の急げ・急げ式で大丈夫かという懸念があります。韓国の領海なので、まあ好きにすればいいですが、日本にお金の無心を行うのはやめていただきたいところです。
(吉田ハンチング@dcp)