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労働時間の減少と社会保障税の増加には相関がある!

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日本人は働き過ぎ!」なんていわれますが、実は最近ではそうもいえません。もちろん現在でも残業が非常に多い人もいらっしゃるでしょうが、かつてほど世界で突出した労働時間とはいえなくなっています。この労働時間についての話は、現役世代の生産性にかかわってきますので、実は高齢化問題とも密接にかかわっているのです。

OECDがまとめた『国際労働比較2016(Databook of International Labour Statement)』によりますと、先進各国と比較して日本の労働者の「一人当たり平均年間総実労働時間」は下のようになっています(2014年のデータで各国を比較)。

日本:1,729時間
アメリカ:1,789時間
カナダ:1,704時間
イギリス:1,677時間
ドイツ:1,371時間
フランス:1,473時間
イタリア:1,734時間
オランダ:1,425時間
ベルギー:-(データなし)
デンマーク:1,436時間
スウェーデン:1,609時間
フィンランド:1,645時間
ノルウェー:1,427時間
韓国:2,124時間
オーストラリア:1,664時間
ニュージーランド:1,762時間

⇒データ出典:『独立行政法人 労働政策研究・研修機構』「国際労働比較2016(Databook of International Labour Statement)」P.203より引用

1990年以前には、日本では一人当たり平均年間総実労働時間が2,000時間を超えていたのですが、2014年ではアメリカとほぼ同程度まで減少していることが分かります。

特筆すべきは、ヨーロッパ諸国、特にドイツ(日本より358時間少ない)、フランス(日本より256時間少ない)、オランダ(日本より304時間少ない)、デンマーク(日本より293時間少ない)、ノルウェー(日本より302時間少ない)です。また、スウェーデンとフィンランドも1,600時間台で日本より労働時間が大幅に少ないのです。

これらの国に共通するのは社会保障税税率が「高い」ことです。興味深いのは社会保障税の税率の上昇と労働時間の減少に相関がある、ということです。つまり、

労働時間が減少する国では社会保障税の税率が上がる

のです。これについての研究では、ノーベル経済学賞を受賞(2004年)したエドワード・プレスコット(Edward Christian Prescott)の論文『米国人はなぜ欧州人よりはるかに長時間働くのか』(原題:Why Americans Work So Much More Than Europeans?)がよく引かれます。彼の研究によれば、社会保障税の税率がアメリカと欧州諸国でそれほど変わらなかった頃(1970年代前半)には、労働時間もほぼ同水準でした。しかし、社会保障税が上昇するに従って、労働時間もみるみる減少していきました。今では欧州はアメリカと比較してはるかに高い社会保障税率となって、労働時間は短くなっています。

これには労働者の勤労意欲がかかわっていると思われます。一生懸命働いても、高い社会保障税率が課せられ、手取り金額が減るのであれば「その分、労働はしたくない」と誰もが思いますよね。この点は非常に重要です。

というのは、日本でも高齢化社会の年金を支えるために、ともすれば社会保障税を上げよう、という動きが起こるからです。今でさえ重荷と考えられている社会保障に関する徴収が、今よりも大きくなったら若い世代は果たして勤労意欲を持つでしょうか!?

(柏ケミカル@dcp)

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