航空会社の業績が戻りません。日本も他人事ではないのですが、株式を上場している韓国LCC(格安航空会社)の2021年第1四半期の決算が出そろいましたのでご紹介します。
LCC4社総崩れの決算
以下をご覧ください。
総売上:413億ウォン(対前年同期比:81.9%減少)
営業利益:-860億ウォン(対前年同期比:34.7%減少)
当期純利益:-781億ウォン(対前年同期比:21.5%増加)
『ジンエアー』
総売上:439億ウォン(対前年同期比:65.9%減少)
営業利益:-601億ウォン(対前年同期比:92%増加)
当期純利益:-721億ウォン(対前年同期比:57.4%増加)
『ティーウェイ航空』
総売上:353億ウォン(対前年同期比:76.4%減少)
営業利益:-454億ウォン(対前年同期比:103.7%増加)
当期純利益:-494億ウォン(対前年同期比:41.8%増加)
『エア釜山(プサン)』
総売上:320億ウォン(対前年同期比:65.6%減少)
営業利益:-472億ウォン(対前年同期比:22.6%増加)
当期純利益:-855億ウォン(対前年同期比:38.4%増加)
※対前年同期比は、赤字が増加した場合には「増加」、赤字が減少した場合は「減少」になっています
∴4社とも売上が激減して赤字が増えた
4社とも見事に総崩れで赤字です。コロナ禍から回復してきたといわれる韓国ですが、
営業利益で4社合計すると「-2,387億ウォン」(約-231.5億円)になります。
赤字額は2020年第1四半期から拡大しました。
負債が自己資本の18倍もある!
各社とも借金が増えたため、負債比率も以下のとおり拡大しています。
『済州航空』:681.5%
『ジンエアー』:1,793.4%
『ティーウェイ航空』:922.1%
『エア釜山』:1,745.7%
負債比率は、負債が自己資本の何パーセントになるかを表していますので、『ジンエアー』と『エア釜山』は自己資本の約18倍も負債があります。負債比率では『済州航空』はまだましに見えますが、何度かご紹介しているとおり、債務超過寸前です。
そもそも、韓国メディアの報道を見ていると負債比率は200%までが健全としているようですので、LCC4社とも韓国メディアのお眼鏡にかなわない経営が危ない会社です。
航空会社の業績が急回復することは考えられないので、韓国のLCCの苦境はまだ続きそうです。すでに韓国LCC『イースター航空』が破綻し法定管理下に入っていますが、こうしたまだ存続しているLCCが破綻することもあり得ます。
ちなみに『イースター航空』は入札制の競売が実施されることになりました。この件についても動きがありましたらご紹介するようにいたします。
(吉田ハンチング@dcp)