09月21日、日銀黒田総裁が政策委員会・金融政策決定会合において決定されたことについて発表を行いました。日銀の公表した「当面の金融政策運営について」ペーパーにありますが、サプライズは特にありませんでした。
イールドカーブ・コントロールについては、
●短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用
●長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額は、おおむね現状程度の買い入れペース(保有残高ノ増加額年間約80兆円)。
としています。
資産買い入れ方針では、
●ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。
●CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。
つまり、現状維持であり、日銀のバランスシート拡大が続きます。アメリカ、欧州ではおっかなびっくりではありますが、出口戦略に舵を切り始めているのですが、日本はまだまだその航路に入る道筋も見えない、というわけです。
株式市場でささやかれていた日銀による買い入れ縮小懸念を蹴っ飛ばした形になりました。FOMC(米連邦公開市場委員会)が利上げ姿勢を崩していませんので、これで「ドル高円安」のトレンドが一応補完された形になります。それどころか、一部識者の指摘するとおり、他ハードカレンシーに対する「全面円安」の可能性もあります。
Money1読者の皆さんはもう耳にタコができていると思われますが、日本市場では円安にふれると株高になります。FOMCの方針が曲げられない限り、日本の株式市場は上昇が期待できるというわけです。
これで次月以降のアメリカ市場が焦点になってきました。問題は、FOMCによるバランスシートの縮小オペレーションに市場が耐えられるか? です。
⇒日本銀行「当面の金融政策運営について 2017年9月21日」
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/k170921a.pdf
(高橋モータース@dcp)