指標(INDEX)としての「ROC」はRate Of Changeの略で、「変化率」というその訳のとおり、株価(終値)がどのくらい変化しているのを示しています。パーセント表示ですので、100を超えると○日前と比べて株価は上昇していることになります。
下のチャートは前回の記事と同様、佐藤ボイラー(バカ)が損切りしたイグニス(銘柄:3689/東証マザーズ)の日足とROC(10日間)を表示したものです。いつもどおり株マップ.comのクオンツチャートからの引用です。
まず100(%)のラインに着目します。株価が○日前と「変わらない・同じ」であれば100%ですから、株価が上昇局面にある場合にはROCのラインは100を超えたところで推移します。また逆にいえば、100を下回っているときは、○日前よりも株価が低くなっている下落局面であるわけです。
ですから、まず売買のタイミングとして、
●ROCが100を切っている段階での買い
●ROCが100を超えている段階での売り
というサインをROCチャートから確認することができます。
下落局面でMACDやストキャスティックといったINDEXが有効に働かないとき、またサインが読み取れないときにROCが補完してくれることがあります。
さらに、上昇局面でも変化率が小さくなるときには下落のサインと見ることができます。ゴルフボールのたとえでいうなら、与えられた速度を失い、失速⇒落下の局面です。今回のサンプルで取り上げたイグニスのチャートでこれを確認してみます。下を①②③を見てください。
①で株価は大きく上昇しています。この期間のROCが示す変化率は大きなものです。そしていったん下落しますが、②で株価は第二のピークに向けて上昇しています。しかし、ROCが示す変化率は大きく下落しています。変化率が小さくなっているのです。これが、たとえでいうところの「ボールの失速」です。
変化率の減少が示すとおり、株価はこの後③のように急下落するのです。このように、ROCは変化率によってトレーダーに有効なサインを出してくれます。MACDやストキャスティックなど有力なINDEXと共にROCを用いることで、トレーダーはより的確な売買サインを見極めることができるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)