韓国の貿易は2023年04月にも赤字が確定。26年ぶりに「14カ月連続赤字」となりました。
2023年05月01日、韓国の産業通商資源部が出した「輸出入動向」資料に見逃せない箇所があります。韓国の輸出が減少していることについての「言い訳」です。
以下をご覧ください。
【主要国の状況】
最近の輸出減少は日本・台湾をはじめとする諸国で現れている。日本は’22年04月以降10カ月連続で輸出が減少し、同期間に大規模な貿易赤字が持続している状況だ。
IT輸出比重が高い台湾は半導体業況不振などの余波で、去る03月輸出が19.1%減少し、代表的な輸出新興国であるベトナムも去る第1四半期に11.7%の輸出減少を記録した。
ただし、中国は自動車・鉄鋼輸出拡大、対ロシア・オーストラリア輸出急増に03月に輸出が増加した。
*日本輸出増減率(WTO、%):(’22.10月)△3.6 → (11月)△4.0 → (12月)△5.9 → (’23.01月)△8.9
*台湾輸出増減率(臺統計庁、%):(’22.12月)△12.2 → (’23.01月)△21.2 → (02月)△17.1 → (03月)△19.1
輸出が減少しているのは韓国だけではない、日本、台湾、ベトナムだって減少しているのだ――としています。
事実であっても韓国の慰めにはなりません。肝心なことに言及していないからです。
韓国のように輸出が減少し貿易赤字が連続しても、日本の経常収支は赤字にはなりません。
いまだに「日本も巨額の貿易赤字だ」と言い募る人がいますが、韓国の場合は国が傾きますが、日本は傾きません。
貿易収支が赤字でも、外国からの所得を計上する第1次所得収支が黒字で経常収支は黒字になるからです。03月の国際収支統計が日韓共に出ていませんので、直近の02月の経常収支の構造を比較してみます。
まず日本です。
2023年02月
貿易収支:-6,041億円
サービス収支:-2,204億円
第1次所得収支:3兆4,407億円
第2次所得収支:-4,190億円
経常収支(上記4つの合計):2兆1,972億円
対前年同期比で貿易収支は赤字が拡大していますが、経常収支は「2兆1,972億円」の黒字です。
次に韓国の02月の国際収支統計です。
2023年02月
貿易収支:-12億9,570万ドル
サービス収支:-20億2,960万ドル
第1次所得収支:31億1,700万ドル
第2次所得収支:-3億1,010万ドル
経常収支(上記4つの合計):-5億1,840万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
韓国は貿易収支が大きな黒字にならないと経常収支が黒字にはならない構造になっています。
ですので、日本だって輸出も減少しています、日本の貿易収支も赤字です――などと指摘しても全くなんの意味もありません。
残念ながら貿易収支が赤字でも日本は傾きません。韓国は傾きますし、今まさに傾いています。
(吉田ハンチング@dcp)