中国の異常「電気自動車造り過ぎ」1,355万台製造できる計画だった

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中国語メディア『第一財経』が非常に興味深いデータを出しています。

2014年を「造車新勢力(新興自動車メーカー)」元年として、10年後の2023年、そして2024年現在、どのようになったのか――という総括です。

2014年には雨後の筍のように『蔚来汽車』(NIO)、『理想汽車』(Li Auto)、『小鵬汽車』(XPeng)、『奇点汽車』、『游侠汽車』などが次々と創立され、これまで中国の自動車業界に携わってきた会社からも人材がスピンアウトして、この起業ブームに身を投じました。

2019年には市場に60社以上の振興自動車メーカー(大株主が伝統的自動車メーカーではない企業)がひしめくようになったのです。

自動車メーカーが60社です。

この中には、宇宙一の不動産屋と号した『恒大集団』が造った電気自動車会社もありました。

中国人は「儲かりそう!」となれば、これまで自分たちが行ってきたのと全く関係のない事業でも乗り込んでいくのです。

例えば、日本の『住友不動産』が突如「うちも電気自動車の製造に乗り出す」と言い出したら、みんな頭がおかしくなったのか――と思うでしょう。

中国は違います。「アグレッシブですけど、なにか?」とうそぶくのです。

中国市場がすぐにレッドオーシャンになるのは、中国人のお金儲けにかける貪欲さにも原因があります。

――で、すぐに淘汰が来ました。

『第一財形』によれば、新興自動車会社で、現在でも電気自動車の販売が行えている(販売記録がある)のは、

『理想汽車』(Li Auto)、『零跑汽車』(Leapmotor)、『蔚来汽車』(NIO)、『小鵬汽車』(XPeng)、『小米』(Xiaomi)、『哪吒汽車』(Hozon Auto)、『極石汽車』、『合創汽車』の8社のみ。

しかし、ただ販売しているだけで負債を抱えすぎで今にも飛びそうな会社が目立ちます。『第一財形』の書きようによれば――例えば『哪吒汽車』は過去3年間で1,838億元の累積赤字を抱え、『合創汽車』はほとんどの従業員を解雇し、少数の人員だけで運営している――なのです。

(不完全ながら)『第一財形』の統計によると、中国の新興自動車会社が計画した生産能力は1,355万台、投資金額は6,853億元に達します。

2023年のアメリカ合衆国の自動車販売台数が「1,550万台」ですから、その需要の87.4%を満たすだけのクルマを造れますよー!という異常な生産能力を計画していたのです。

これだけで「ばかなんじゃねーの」なのですが、生産計画が停止されたメーカーの計画能力は1,030万台、総投資額は6,065.8億元に上るのこと。

つまり、予定していた生産計画台数の約76.0%、投資金額の約88.5%がなくなりました。その分会社が吹き飛んだわけです。

まさにダイナミック・チャイナです。「哎呀アイヤー」と叫ぶべきでしょうか。

各地方都市も期待して新興自動車会社を成立・誘致したのですが……。

浙江省:
計画年産能力200万台超に対し、現在稼働しているのは『零跑汽車』(Leapmotor)のみ。『威馬』(WM Motor)、『天際』(Skywell)、『宝能』(Baoneng)などは市場から撤退しました。


↑恐らく日本人のほとんが聞いたことのない『零跑汽車』が製造している車種「T03」。

江蘇省:
8つの地級市が新興メーカーを誘致しましたが、『理想汽車』(Li Auto)以外は、『拜騰』(Byton)、『賽麟』(Saleen)、『高合』(HiPhi)などすべて破産しました。

江西省:
計画年産能力90万台のうち、実際に稼働しているのは45万台。『愛馳』(Aiways)、『緑馳』(Green Wheel)、『国機智駿』(Guoji Zhijun)などのプロジェクトが失敗に終わりました。

このように淘汰されているにもかかわらず、中国ではいまだに莫大な債務を抱えながら延命している新興自動車会社があり、(よせばいいのに)ポンコツ電気自動車を製造し続けています。

そして、(よせばいいのに)そのポンコツな過剰生産物を外国に輸出しているのです。

本当に迷惑な国です。

(吉田ハンチング@dcp)

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