北朝鮮の定点観測・分析サイトとして知られる『38North』に北朝鮮が人道的困難に直面しているという記事が出ました。
新型コロナウイルスによりシャットダウン
洪水災害
台風による穀物の被害
が積み重なって、北朝鮮が飢餓など人道的な危機に瀕しているというのです。
『38North』の2020年09月23日付けの記事から冒頭部分を引用します。
2020年、北朝鮮の人々は本当に極端な人道上の課題に直面しました。
この夏の前に、北朝鮮は、COVID-19のシャットダウンと継続中の制裁によって引き起こされる高レベルの慢性栄養失調と深刻な経済混乱に対処していました。
過去数週間にわたって台風が襲い、国中に洪水が広まり、すでに困難な年となっています。
北朝鮮を何十年も訪問した後でも、北朝鮮の人々が耐えなければならない重大な人道的困難を目の当たりにすることには衝撃を受けざるを得ない。
悲しいことに、救援、復興、再建のための人道支援は、すぐには提供されそうにありません。
(後略)⇒参照・引用元:『38Nourth』「北朝鮮における極度の洪水が日常生活に与える影響」(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
一方の金委員長は「なにわろてんねん的」な……
北朝鮮をwatchし続けてきた『38North』の記事ですので北朝鮮内がひどいことになっているのは確かでしょう。一方の北朝鮮メディアのサイトに目を向けてみますと、非常にのんびりとしたことになっています。
例えば上掲は北朝鮮の『わが民族同士』サイトの「金正恩党委員長が銀波郡大青里一帯の被害復旧建設現場を現地指導」という記事(日付けなし)に掲載された写真ですが、金正恩委員長は機嫌よく視察に回っていらっしゃるようです。
下は同サイトの別記事(2020年09月15日付け)に添付された写真ですが、豪雨と強風による被害を復旧して新たに建設した黄海北道金川郡江北里を現地で指導した際の模様となっています。
この記事本文の中には次のような文もあります。
(前略)
今年、わが国の全域を恐ろしく襲った豪雨と強風によって大きな被害を受けた黄海北道金川郡江北里が、金正恩委員長の賢明な指導と人民軍軍人の烈火のような愛国衷情と英雄的闘いによって、自然の大災難の痕跡をきれいになくし、社会主義の理想郷、社会主義農村のモデル村に立派に建設された。
(後略)
とあります。
『38North』の悲痛な記事とはあまりに調子が異なるので驚きますが、もちろん国内が悲惨な状況にあっても北朝鮮の対外メディアは、その本当の姿をおくびにも出しません。
しかしながら、そのような姿勢では『38North』の記事にもあるとおり支援を求めようにもできないでしょう。北朝鮮はなにより見栄とうそで自らを固めるのをやめるべきです。
(松田ステンレス@dcp)