投資関連のニュースに「CP」という言葉が登場することがあります。このCPとはどのような意味なのがご存じでしょうか?
■「CP」は「企業が発行する無担保の約束手形」
CPは「Commercial Paper(コマーシャル・ペーパー)」の略称で、一般には「企業が発行する無担保の約束手形」のことを意味します。投資先の一つとして挙げられることがありますので、投資関連ニュースなどにもしばしば登場するのです。
企業にとってはCPを発行することは資金調達の方法の一つです。しかも無担保ですので、何か自分の保有している資産(将来の利益なども含む)をカタにする必要がありません。
ただ、投資する側から見れば無担保なのでリスクが高いことを意味します。何かあった場合、特に「発行元の企業が倒産」なんてことがあるとCPは紙くずになってしまいますからね。
ですので、CPを発行できる(CPを発行して購入してもらえる)企業というのは一般にもよく知られた有名企業、業績の良い優良企業だけといってもいいのです。
■「社債」とは何が違う!?
CPと似たものに「社債」があります。企業が資金調達のためにいくらかの「利率」を付けて発行するという点は変わりません。
ただし、CPはあくまでも約束手形で、有価証券になる社債とはその点が異なります。また、償還期間も大きく異なります。CPの場合には「1年未満」で「1カ月未満」というものも多いのですが、社債の場合には「1年以上」というのが普通です。
さらに、買ってくれた(投資してくれた)人が利益を受け取る方法が異なっています。CPの場合は、額面から利率分を割り引いた金額で購入し、償還時期が来たらその額面の金額を受け取るという仕組みです。つまり、その割り引かれた金額分が投資した人の利益になるのです。このような仕組みを「割引方式」といいます。
償還期間が1年未満(1カ月未満も普通です)で短期的な資金調達のために発行するのが「CP」、償還期間が1年以上で中・長期的な資金調達ために発行するのが「社債」と区別して考えればよいでしょう。
■「CP」は誰が買うの?
優良企業が発行するものなので「買ってみたい(投資してみたい)」と思う人がいるかもしれませんが、普通CPは個人投資家からお金を募るものではありません。金額も億単位ですので、銀行・金融機関などの機関投資家がお金を突っ込むものなのです。
(柏ケミカル@dcp)