アメリカ合衆国財務省のイエレン長官(ジャネット・ルイーズ・イエレン:Janet Louise Yellen)が「合衆国政府のデフォルト危機」について触れました。債務上限を引き上げないと、早ければ2021年08月にはデフォルトを起こす危険があるというのです。
合衆国政府ってデフォルトするの?と思われるかもしれませんが、しますし、実はこの債務上限問題はしょっちゅう起こっています。
Money1では、2017、2018年辺りに散々ご紹介しましたが、前トランプ大統領時代の「職員の給料も支払えなくなって政府機関がシャットダウン」というニュースを覚えていらっしゃるでしょうか。アレです。
合衆国政府とデフォルトと債務上限
「債務上限」の話は合衆国政府の年中行事のようについて回ります。合衆国政府が背負ってもいい債務の天井は決まっているのです。
これを「debt ceiling(デット・シーリング)」といいます。「ceiling」は「天井」という意味ですので、「負債の天井」でそのままですね。
天井が決まっているのですから、上限まで借金してしまうと、新たな借金をする(国債を発行して資金を入手する)のに議会での承認が要ります。
天井を上げてもらうわけです。
そのため、資金がショートするぞ!という際には、議会に諮って承認を得て、新規国債発行という手順を踏まなければなりません。もし「債務上限の引き上げ」が承認されない場合には、実際に資金がショートし、政府機関がシャットダウンという羽目になりかねません。
トランプ前大統領の時代には、実際にこれが起こりました。
議会はトランプ大統領の「不法移民対策」が気に入らないので、これを引っ込めないなら債務上限の引き上げを認めないと駆け引きに使ったのですが、トランプさんは「不法移民対策が議会でまとまらないなら連邦政府機関が閉鎖されてもかまないよ」と発言。
この「閉鎖上等」な態度は議員の皆さんをゲッソリさせました。
という具合に、合衆国政府とデフォルトと債務上限の話は頻繁にあって、日本人には「合衆国は面白い国だなぁ」と思わされるのです。
(吉田ハンチング@dcp)