外貨準備高が減少してくるとデフォルト懸念が高まります。外国との決済に使う外貨がなくなったらそこで終わりだからです。
例えばデフォルト寸前とも見られるトルコの外貨準備高の推移は以下のようになっています。
⇒参照・引用元:『CEIC』公式サイト「トルコの外貨準備」
先にご紹介したことがありますが、トルコの外貨準備高は2015年から急速に減少し、現在は少し戻した状態になっています。
しかし、このあるように見えるトルコの外貨準備も張り子の虎であることが分かっています。
『ゴールドマン・サックス』などが指摘していますが、借金で外貨準備を膨らましておりマイナスと見なすことができます。いつ飛んでもおかしくないのはそのためです。
危機時に韓国の外貨準備はいくら減ったのか
さて、韓国です。
今のところ韓国が急激な外貨準備の減少に見舞われることはないと見られます。では、過去はどうだったのでしょうか。
「アジア通貨危機」「韓国通貨危機」時に外貨準備がどのように減ったのかを見てみます。
まず、1997年のアジア通貨危機時の「外貨準備高の増減」を国際収支統計で見ると以下のようになります。
↑▲はマイナスの意味です。マイナスの場合、その月に外貨準備高が減ったことを示します。
月次での外貨準備高の増減を合算してみると、1997年には外貨準備高は「119億2,170万ドル」減少したことになります。
以下は2008年の外貨準備の増減です。
2008年には「564億4,460万ドル」も外貨準備高が減少しています。
ドル枯渇によって韓国がドボン寸前だった2020年03月はどうだったのかというと……。
なんと1カ月で「71億7,290万ドル」も減少しています。その分の外貨資産がなくなったことを意味していますので、いかに危険な時期だったのかが分かります。
ちなみに、今回ご紹介した国際収支統計の外貨準備高の増減と『韓国銀行』が毎月公表している外貨準備高の増減はなぜか合いません。
『韓国銀行』の公表する外貨準備は、2021年11月、12月と2カ月連続で減少しています。これがドカンと減るようなことがあるとピンチですから、国際収支統計(2021年10月分までは公表済)の発表を注視いたしましょう。
(吉田ハンチング@dcp)