株式や先物などの市場において、価格が一定以上の変動を起こしたらその時点で強制的に取引を停止することを「サーキットブレイカー制度」といいます。
「サーキットブレイカー(circuit breaker)」は、そのまま「回路遮断機」の意味で、家庭にも電力の「ブレイカー」がありますね。電力の過使用になると落ちて、電力供給を止めるものです。あれをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
例えば『日本取引所グループ』の「先物指数」「指数オプション」の場合には、以下のように決まっています。
区分 | 通常時制限値幅 | 第一次拡大時 制限値幅 |
第ニ次拡大時 制限値幅 |
|
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指数先物 | 日経225先物・日経225mini | 8% | 12% | 16% |
TOPIX先物・ミニTOPIX先物 | ||||
JPX日経400先物 | ||||
東証マザーズ先物 | ||||
TOPIX Core30先物 | ||||
東証銀行業株価指数先物 | ||||
東証REIT指数先物 | ||||
RNプライム指数先物 | ||||
FTSE中国50先物 | 10% | 15% | 20% | |
日経平均VI先物 | 10ポイント | 拡大回数を限定せず、 通常、5ポイント刻みで順次拡大 |
||
NYダウ平均先物 | 7% | 13% | 20% | |
台湾加権指数先物 | 10% | 制限値幅は拡大しない | ||
指数オプション | 日経225オプション (基準値段) 50円未満 50~200円未満 200~500円未満 500円以上 |
4% 6% 8% 11% |
通常時制限値幅に3%を加えたもの | 第⼀次拡⼤時制限値幅に3%を加えたもの |
TOPIXオプション (基準値段) 5ポイント未満 5~20ポイント未満 20~50ポイント未満 50ポイント以上 |
4% 6% 8% 11% |
通常時制限値幅に3%を加えたもの | 第⼀次拡⼤時制限値幅に3%を加えたもの | |
JPX日経400オプション (基準値段) 50ポイント未満 50~200ポイント未満 200~500ポイント未満 500ポイント以上 |
4% 6% 8% 11% |
通常時制限値幅に3%を加えたもの | 第⼀次拡⼤時制限値幅に3%を加えたもの |
⇒引用元:『日本取引所グループ』「https://www.jpx.co.jp/derivatives/rules/price-limit-cb/index.html」
https://www.jpx.co.jp/derivatives/rules/price-limit-cb/index.html
また、『東京証券取引所』では1日の値動きの幅を、その株の価格水準に合わせて設定していますが、これは「値幅制限」と呼ばれるものです。
アメリカ合衆国のNY証券取引所やNASDAQなどでは、現物取引におけるサーキットブレイカーの発動に「7%下落」「13%下落」「20%下落」の3つのレベルを設定しています(「Market-Wide Circuit Breakers」)。また、この発動は合衆国株式市場を代表するINDEXである「S&P500」を基にしています。
<<Level1>>
9:30~15:30の間にS&P500が前日終値より7%下落:15分間の取引停止
<<Level2>>
9:30~15:30の間にS&P500が前日終値より13%下落:15分間の取引停止
<<Level3>>
時間帯に関係なくS&P500が前日終値より20%下落:その日の取引停止
先物取引の場合には5%安でサーキットブレイカーが発動しますし、個別株での取引停止措置もあります。
(吉田ハンチング@dcp)