『韓国銀行』の公式サイトに「経済用語辞典」というコーナーがあります。ここで「外貨準備高」についてどのように説明しているのかを調べました。
外貨準備高(Official Reserve Assets)は、中央銀行や政府が国際収支の不均衡を保全したり、外国為替市場の安定のために、いつでも使用できるように保持している「交換性があり、流動性や市場性の高い対外支払準備資産」をいう。
したがって、外貨準備高は緊急事態のために用意しておくへそくり(非常用のお金:筆者注)のような性格を持っている。
外貨準備高は、為替レートの急騰時、外国為替市場の安定のための財源として利用されるだけでなく、金融機関の海外借入が難しくなる信用危機の状況下で、中央銀行などが最後の貸し手(last resort)の役割をするための財源となる。
この目的に適合するように、現在、韓国の外貨準備高は、先進国国債など外貨証券や預金などの流動性と安定性が高い資産で運用されている。
外貨準備高は、経済危機の時に安全弁の役割をし、国家信用格付けを向上させ、中央銀行には外貨資産運用に伴う収益が発生するなどのよい点もあるが、通貨安定証券等の利子の支払いなどの費用も発生する。これにより、外貨準備高の適正規模についての議論が続いてきた。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』「経済用語辞典」「外貨準備高」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
これは『韓国銀行』が「一般市民に分かりやすく」と設けられた解説でしょうが、なかなか興味深いのではないでしょうか。ちなみに途中で出てくる「last resort」は「最後の手段」という意味です。
「通貨安定証券等の利子の支払いなどの費用も発生する」と正直に書いているのには好感が持てますね。債券を発行して調達した外貨も外貨準備になりますが、(債券を購入してくれた投資家に)利子を支払わないとならないので大変です、と。
なにせ、かつて『韓国銀行』は「通貨安定証券」を発行しすぎ、その利子払いで赤字に転落。「世界唯一の赤字の中央銀行」「なんでお札を刷れる中央銀行が赤字になるんだよ」と世界を驚愕させたことがあります。
それはともかく、この説明では、韓国の外貨準備には「流動性と安定性が高い資産以外はない」ように読めます。
「そうだ ドル、借りよう。」と国策銀行が『サムスン電子』の預金をアテにするというのは、外貨準備資産の流動性が高くないからではないのでしょうか。一応、私募債発行という手を使っていますが、まるで『サムスン電子』の預金も外貨準備に入っているみたいです。
意地悪な言い方ですみません。
「通貨安定証券」という面白い債券についてご存じない方は以下の記事を参照いただけると幸いです。
(柏ケミカル@dcp)