2024年07月12日、中国の応急管理部が記者ブリーフィングを行い「2024年上半期の災害による被害状況」について公表しました。
応急管理部というのは、2018年03月に新設されたに総合的な危機管理省庁で、英語で書くと「Ministry of Emergency Management」。災害予防、緊急事態から応急対応までをマネージメントするお役所で、ただし復旧・復興段階の機能は担いません。
Money1でもご紹介してきたとおり、北は干ばつ、南は水害でひどい状況となりました。北部の干ばつは最悪の時期を過ぎたという見方が広まっていますが、南部はまだ台風シーズンが到来するのです。
問題はどの程度の損害が全国的にあったのか?――です。
今回開催されたブリーフィング、および文書によると、以下のようにまとめられています。
以下、全国の自然災害状況をお知らせします。
このほど、国家防災減災救援委員会弁公室は、関係各委員と共に、2024年上半期の全国自然災害状況について協議・承認を行った。
上半期、さまざまな自然災害により、
全国で3,238.1万人が被災し、
災害による死者・行方不明者は322人、
緊急移転者は85.6万人、
家屋の倒壊は2.3万戸、
農作物の被害面積は3,172.1万ヘクタール、
直接的な経済損失は931.6億元
に達した。
(後略)⇒参照・引用元:『中国 応急管理部』公式サイト「应急管理部举行例行新闻发布会」
程度の差こそあれ、被災した人は3,238.1万人とのこと。その割には死者・行方不明者は「322人」だとしています。本当でしょうか。
災害によって緊急避難した人が「85.6万人」にも及び、2.3万戸の家屋が倒壊。耕作地が3,172.1万ヘクタールも被害を受けているので、これで穀物生産量が予定どおり達成したとするなら、大嘘と疑わざるを得ません。
直接被害金額は「931.6億元」ですから、日本円にして約「2兆245.5億円」※になります。
被害甚大という他ありません。ただし、これは上半期のみの集計です。
※円換算は2024年07月15日の「1人民元=21.73円」で行いました。
(吉田ハンチング@dcp)