日本でも現在「日本学術学会」に関係して中国の「千人計画」が注目されていますが、アメリカ合衆国では、中国の「千人計画」に参加し中国共産党からお金を得ていた学者が続々と逮捕されています。
中国の「千人計画」は以下の点で大問題です。
(知的財産権を強奪される)
・研究成果が軍民両用(デュアルユース)となる
(技術を容易に軍事転用される)
(それで中国の軍事技術が強化されれば安全保障上の問題になる)
・国の資金を使って中国のために研究していることになる
(納税者の資金を納税者の合意なしに中国のために使っている)
つまり、「千人計画」に参加した学者は、納税者のお金を中国のために使うという詐取を行っており、中国による知的財産権の強奪に荷担しているというわけです。
合衆国はこの観点から「千人計画」参加の学者を以下のように続々逮捕、起訴しています。2020年に公表された主要なものを拾ってみます。
2020年01月28日
合衆国司法省は、ハーバード大学化学・化学生物学部の学部長チャールズ・リーバー(Charles Lieber)教授を「重大な虚偽、架空請求、詐欺」の容疑で起訴。「千人計画」に参加し、5年間に毎月5万ドルの研究費、年間15万ドルの生活費を受け取っていました。
※この人は、2008年にノーベル化学賞候補に名前が挙がったほどの科学者です。
2020年03月10日
合衆国司法社は、2006~2019年8月までウエストバージニア大学の物理学科の教授を務めたジェームズ・パトリック・ルイス(James Patrick Lewis)を詐欺の容疑で起訴。
2017年07月、同氏は「千人計画」に参加し、『中国科学院』と雇用契約を結びました。3年間で合計80万ドルの給与や手当を受け取る契約でした。『中国科学院』の仕事で中国に行くため、「妊娠した妻と生まれたばかりの子供の世話」と虚偽の休暇申請を行っていました。
2020年05月12日
合衆国司法省は、元エモリー大学教授、生物学者の李暁江が虚偽の収入申告を提出した罪で有罪判決、と発表。エモリー大学に務めながら、中国「千人計画」の参加しており、海外で少なくとも50万ドルの収入を得ていたとのこと。
2020年07月09日
合衆国司法省は、『国立衛生研究所勤務』のリウマチ学と免疫学専門の鄭頌國を、410万ドルの研究費取得詐欺、中国国内の研究機関と雇用関係を維持していた虚偽申告で起訴、と発表。
鄭は2013年から「千人計画」に参加しており、国外逃亡しようとしたところを空港で逮捕されました。逮捕時には、トランク×3、スーツケース×1、ブリーフケース、ノートパソコン×2、携帯電話×3、複数のUSBドライブ、数本の銀の延べ棒、家族の期限切れの中国パスポート、中国の不動産の証書などを持っていました。つまり、一切合切を持って逃亡しようとしたのです。
2020年07月30日
合衆国地方裁判所で陳莉は「千人計画」に参加し不当な利益を得ていたと自らの罪を認めました。陳は夫と共謀して勤務先の研究所から機密情報を盗み、中国に渡して報酬を受け取っていました。
2020年08月24日
合衆国司法省は、合衆国航空宇宙局(NASA)で研究を行っていたテキサスA&M大学の成正東教授を虚偽申告や電信送金詐欺の刑事事件の容疑で起訴、と発表。成教授はNASAの宇宙研究資金として約75万ドルを獲得していながら「千人計画」の参加者でした。
2020年09月17日
ニューメキシコ連邦裁判所は、合衆国エネルギー省傘下の『ロスアラモス国立研究所』に勤務する科学者トラブ・ルックマン(Turab Lookman)に対して、「千人計画」に参加していたことを隠蔽したとして、執行猶予5年と7万5,000ドルの罰金という判決を下しました。
というわけで、これからも千人計画の逮捕者は続々出そうです。翻って、日本はどうするのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)