ロシア軍のウクライナ侵攻で韓国経済の状況は悪化するという見通しが出ています。
2022年12月、韓国の企画財政部は「2022年経済政策方向」の中で、
経常収支:800億ドル
消費者物価指数:2.2%
実質経済成長率:3.1%⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「『2022年経済政策方向』発表」
としました。
『韓国銀行』の方は2022年02月24日になって、これまでの見通しを以下のように修正。
経常収支:700億ドル
消費者物価指数:3.1%
実質経済成長率:3.0%⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済展望(2022.2月)」
経常収支の黒字を「810億ドル」から「700億ドル」に下げ、物価上昇率は2.0%の見通しから1.1%上げて「3.1%」にしました。しかし、経済成長率の見込みは下げませんでした(笑)。
原油価格の高騰が韓国の経常収支を大きく下げる
さらに『現代経済研究院』は、ロシア軍のウクライナ侵攻によって原油価格が上昇すると予想され、これが韓国経済に悪影響を及ぼすという試算を行っています。以下をご覧ください。
原油価格が100ドルまで上がると……
経済成長率:0.3%下落
経常収支:305億ドル減少原油価格が120ドルまで上がると……
経済成長率:0.4%下落
経常収支:516億ドル減少⇒参照・引用元:『現代経済研究院』公式サイト
原油先物は一瞬ですが100ドルを超えています(チャートは『sbisec.co.jp』より引用)。
↑WTI(原油先物)。ヒゲで一時100ドルを超えている点にご注目ください。
韓国は原油依存度がOECD一高い国である
それにしても原油が1バレル当たり100ドルを超えると、経常収支が「305億ドル」も減るというのは、かなり衝撃的な数字です。
この点については、『現代経済研究院』の同リポートに理由が書いてあります。
(前略)
経済全体で見ると、2020年基準の韓国は、OECD加盟国(37カ国)の中で1位の原油依存度(GDP 1万ドル当たりの原油消費量5.7バレル)、1人当たりの原油消費量(国民1人当たりの原油消費量18.0バレル)では4位を記録するほど、石油依存性が非常に高いと分析される。これは主要競争国と比べて、韓国経済は国際原油価格が上昇するとコスト上昇圧力がより大きく作用するという意味だ。
したがって、世界市場で他の国々よりも我が国の製品の価格上昇圧力が大きくなる。
これにより、当社製品の相対価格上昇に伴う売上の減少(または利益の減少)などで産業競争力が弱まる結果につながる可能性がある。
(後略)⇒参照・引用元:『現代経済研究院』公式サイト
韓国は、なんと『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)加盟国の中で最も原油依存度が高い国なのです。
そのため、ウクライナ情勢は韓国経済に悪影響を与え、しかも依存度が高いため、他の国より大きく揺さぶられます。ただでさえ貿易収支が減少していて危険になってきたのに、このウクライナ情勢です。
韓国はピンチですね。
(吉田ハンチング@dcp)