世界を股にかける高利貸し『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)※は、世界各国がドボンになったときにお座敷がかかる組織なので、ドボンにならないよう「外貨準備の管理の重要性」について自身のサイトで説明を行っています。
その中に「Adverse Reserve Management Experiences(有害な外貨準備の管理)」という面白いコラムがあるのでご紹介します。
このコラムでは外貨準備をこのように扱うとロクなことにならないぞという件を紹介しているのですが、『IMF』がこれまで経験・確認してきた事例を基に、「外部(海外)の市場に依存したリスク」「オペーレーションリスク」について取り上げています。
「オペーレーションリスク」、つまりその国の当局が外貨準備(の資産を使って)不適切な行動を取った悪しき事例としての説明の中に以下のような部分があるのです。
Financial misstatement risk.
In measuring and reporting official foreign exchange reserves, some authorities have incorrectly included funds that have been lent to domestic banks, or the foreign branches of domestic banks. Similarly, placements with a reserve management entity’s own foreign subsidiaries have also been incorrectly reported as reserve assets.
財務上の虚偽表示リスク
公的な外貨準備の測定と報告において、一部の当局は、国内の銀行や国内の銀行の海外支店に貸し出された資金を誤って計上している。
同様に、準備金管理主体の海外子会社へのプレースメントも、準備金資産として誤って報告されている。
⇒参照・引用元:『IMF』公式サイト
これはまさに1997年の「アジア通貨危機」時に韓国が行っていたこと、そのものです。
「some authorities」と国名と組織こそ名指しされていませんが、韓国はこのために「フタを開けたら外貨準備がなかった」のです。IMFのこのコラムに習いますと「外貨準備の虚偽表示をしていた」ことになります。
↑の記事でご紹介したグリーンスパンさんの言葉を再度引くなら、
となります。
「外貨準備を貸し出してもいいじゃないか」と思うかもしれませんが、そもそも外貨準備は緊急時にすぐに使える資産でなければならないのです。市中銀行に貸し出していてもassets(資産)であることに変わりはありませんが、それは市中銀行から回収しないと使えません。
ですから本来「外貨準備」として計上するのはおかしい、ということになります。
IMFでは、
外貨準備とは金融当局が容易に利用可能であり、当局によって管理されている公的な外貨資産のことである
と説明しています。お分かりいただけるとおり、実は外貨準備の定義が緩いのです。金融当局って誰のことなのか、容易に利用可能とはどの程度のことなのか、は説明されていません。
ですから、韓国のように「市中銀行に貸し出してるけど外貨資産にしちゃお」といったことが起こり、実際の緊急時には「実は……」みたいなことになるのです。
問題は「現在の韓国は大丈夫なのか」です。『韓国銀行』の公表によれば2020年09月末時点で「4,205億ドルある」ことになっています。
上記のとおり「外貨資産としてふさわしいものだけをきちんと計上しているのか」が焦点なわけです。つまり、これが「本当にあるのか」の意味です。
長くなりましたので、『韓国銀行』公表の外貨準備高の疑念については別記事でご紹介するようにいたします。長文にお付き合いを賜わりありがとうございました。
※こういうことを書くから『IMF』に取材を申し込んでも返事がもらえないのだと思うわけです。
(柏ケミカル@dcp)